そのうちトライリンガル -5ページ目

マラソンランナー

東京国際女子マラソンで高橋尚子が優勝した。スター選手,アテネ五輪落選,2年のブランク,さらに直前のケガの公表,という事情もあり,オリンピック並みに注目されてるレースだなあと感じていた。


休みなのでTVでじっくり見ようと思っていたのに,結局仕事が入ってしまった。夜カノジョと食事をしてた時に「完走したの?」って聞いたら意味深な笑顔で答えてくれなかったから,リタイアしたのかと思ってたが,家に帰ってニュースで見たら優勝していたので驚いた。


実はもともと高橋尚子はそれほど好きなアスリートではなかった。いとも簡単に連勝を重ね,オリンピックでもさくっと金メダルを獲り,さらに世界最高も出す,そのサクセスストーリーを,選ばれた者の特権だと思っていた。「練習好き」というのも天性の才能だと思った。もちろん苦しい思いもしているのだろうが,それはみんな同じ,と思っていた。


でも,おととしの東京国際以降,歯車がうまく回らず彼女にとってつらい日々が続くのを報道で知るにつけ,「こんな人でもうまくいかないこともあるんだ」と思い,少し身近に感じるようになった。そして,彼女が捲土重来を果たせるのか日に日に気になるようになった。


そして20日の優勝。その言葉に王者の貫禄を感じた。「暗闇にいたが、夢を持つことで充実した1日1日を過ごすことができた。今悩んでいる人も,1日先でも3年先でも目標を持つことで充実した日々を過ごせると思う」。どんなにつらかったか,そして今どんなに幸せか,それだけではないところに人間の大きさを垣間見た気がした。臥薪嘗胆の日々を送っただけにその言葉には本当に重みがある。


アトランタ五輪の有森裕子を思い出す。「初めて自分で自分を褒めたいと思う」という言葉は高橋尚子に比べずいぶん内面的なものだが,バルセロナ後の不調・故障のつらい日々を乗り越えたことへの思いがつまっていると感じた。彼女は今は全く走っていないというが,マラソンから世界を広げ,現在は国連大使を務めたり引退後のアスリートたちの活躍の場を開拓したりと,精力的に活動を行っている。


高橋・有森の栄光のレースとそこから知ることのできる苦悩は,まるで映画のように心に訴えてくる。走るって本当にすごいことなんだと目から鱗の落ちる思いだった。

pesetas

先日観戦したラグビー日本代表の対スペイン戦で,スペイン政府観光局の作成した紹介冊子が配られていた。


家に帰ってから読んでみると,昔の物だったらしく「通貨」というところに『ユーロがEU(欧州連合)の正式通貨となるまで,スペインの通貨はペセタです』と書いてあった。おいおい,いつのやつだよ。


ペセタ,好きだったんだよな。その言葉の響きもコインの大きさとかデザインとかも好きだった。特に100ペセタの,円周の大きさのわりに厚みのある形,両面のデザインが国王と王室の紋章だというのが,外国に来ているんだという気持ちを掻き立てた。


なんで「外国に来てるんだ」って気持ちになったのかというと,思うに小さい頃見たアニメの影響が強いんじゃないかと思う。日曜日の夜に放送された「フランダースの犬」などのシリーズや,宮崎駿の「天空の城ラピュタ」などで,子供が買物に行くときなどに手のひらに載せてもらう硬貨は必ずこんな形だった。


コイン同士が擦れる音や,手のひらに乗せた時の質感なんかも好きだったんだよな。ひさしぶりに机の引き出しから出して触ってみたらスペインを思い出した。


pesetas

泣きたい

ニュース番組の特集で,スーダンで医療活動に従事する人を取り上げていた。途中から見たのでボランティアかどうかはわからなかったけど,収入がないといっていたからボランティアなんだろう。


奥さんと3人の子供は日本において来ているらしい。赤ん坊だった子が3つになって幼稚園の制服を着た写真を見て涙が出てきたといっていた。奥さんは旦那の収入がなくなり仕事を始めた。


この人家族のこと大好きなんだなあというのが画面から伝わってきた。離れてても,絆はずっと強いんだろう。でも,その家族と離れてでもやりたいことが彼にはあった。しかもカネにもならないこと。


巡回医療(と言うのか?家庭を回り病気の人を診察する)をするもみんな薬を買う金もない。彼もさすがに患者の薬を買ってあげることまではできず,何もしてやれないことにもどかしさを感じる・・・。彼にはゆかりのないはずの国なのに,そんな生活をずっと続けてる。


彼がすごくて自分は情けないというんじゃない。彼は崇高で日本でのうのうと暮らしている人間は堕落しているというつもりもない。・・・少し羨ましかっただけだ。愛する家族があって,やりたいことがあって。そのどちらも濃くて深いんだろう。自分はそこまでのものがあるのかといったら自信がなかったから,羨ましかった。


あー,でも情けないってのもあるな。ホワイトバンドを買ったとき,きちんと世界の貧困に対して意識を持っていこうと思ったけど結局そんなことなかったし,その後WBの論争(募金がどうのっていうやつ)を知ったら知ったで自分の関心も本来気にすべきところとは違う方向に行ってしまった。結局自分の関心ってこの程度なのかと思うと,やっぱり情けないな。


何が言いたいのかよくわからなくなってしまったが,つらつらと書きました。もう少し深く感じ考えられるようになれますよう。

共に戦え。

またラグビー観戦に行った。今回はなんと日本代表戦!しかも相手はスペイン代表!!


先日の観戦 がけっこう楽しかったながら試合に負けてすっきりしなかったのもあり,もう一度見たいと思っていた。幸い仕事を休めたので,行ってきた。


友達曰く「勝てそうとかじゃなく,どれくらいの差で勝つかと内容が問題。」とのこと。ちなみに世界ランクは日本が16位,スペインが30位。


しかし何気に苦戦。前回の悪夢が頭をよぎる。実は前回も「勝てる」と聞いていたのに負けたのだ。なんか不安になってくる。しかもどうしようもないミスが多い。観客席からもきつい野次が飛ぶ。


前半を何とかリードし折り返すも,後半も同じような内容でもどかしい時間が続く。最後突き放し,ロスタイムに小野澤という選手がトライを決めて試合終了。最後のトライは爽快で,ちょっとだけすっきりした。


というわけで,試合には勝利したものの内容としてはいまいち。夜のTV番組でもミスの場面なんかが映されていて,ちょっと停滞ムード。実は監督が変わって(初の外国人監督らしい),その初戦だったんだけどね。


ところでご存知の方もいると思うが,日本は2011年のラグビーのワールドカップ開催地に立候補しており,今月の18日に開催地が決まる。というわけで,先日の試合はそれに弾みをつける絶好の機会だったわけだ。「赤いものを身につけてきた人にはレッドバンドをプレゼント!」(注;ラグビー日本代表は赤のユニフォーム)という企画もあり,自分もちゃっかりもらってきた。友達は日本代表のレプリカジャージを着用(!)。そのレッドバンドに書いてあったのがタイトルのフレーズ。公式ファンサイト ,(公式じゃない?!)サポーターのサイト もあるので興味をもたれた方はどうぞ。


ただ正直言うと,弾みがつくような試合内容じゃなかったし,日本が開催地に決まる雰囲気じゃないんだよね。他に立候補しているのはニュージーランド,南アフリカ。それぞれ世界ランク1,2位。経済力では日本は突出してるかもしれないけど,どうなんだろう。


とりあえず18日を楽しみに待ってみようと思う。

アンディ&レッド

先日映画「セント・オブ・ウーマン」の話をしたが,今日はもう1つ自分がすごく好きな映画の話。


「ショーシャンクの空に」という,刑務所で繰り広げられる友情&人間ドラマ。ヘビーな話だけど最後はすがすがしい気持ちになれる逸品。「希望」という言葉がテーマで,やはり打ちのめされる台詞も多い。


セント~に比べると「いい映画」としては有名じゃないかと思う。言い方は悪いが万人受けする感じかな?ティム・ロビンスとモーガン・フリーマンという配役もいい。


タイトルは主演二人の役名。「アンディ・デュフレーン」という役目いだけど,「デュフレーン」の響きが気に入った。(レッドのFNは忘れてしまった・・・。)


松竹
ショーシャンクの空に

英語でしゃべらナイト

を見た。


WBS(テレ東の23時からのニュース)を見ていたのだが,チャンネルをまわしたらやっていた。妻夫木聡が出ていたが,なんでも彼が出演する映画で英語で喋るシーンがあったとかで,その練習方法とかを紹介してた。「イギリス上流階級の英語」を話す,という役だったらしく,ずいぶん発音が違うんだよ,なんて話をしてた(といってもその話をしてたのは正確にはパックンなんだけど)。


見ながら,「やっぱいろいろな発音に慣れないと」と思った。ずっと前に大杉正明がNHKラジオ英会話をやってた頃,夏休みと冬休みには特番でレギュラーゲストと視聴者が英語圏の国にツアーに行く,みたいな企画があった。あるとき行き先がイギリスだったのだが,「コックニー」という独特の発音があるということを紹介していた。その発音を聞いた時は「何だこれ?!」と心底驚いた。こんなの聞き取れる奴いるのかよ?って。でもよくよく考えれば,英語に慣れてない日本人の発音だってネイティブには聞き取ってもらえないだろうし,シンガポールなまりの「シングリッシュ」や,あるいはフランス人の話す英語だってと~っても聞きにくい。


英語を喋れるようになることが目的なら標準的な英語が喋れればそれでいいんだろうが,言葉はあくまでコミュニケーションのツールであると思うから,やっぱりそれじゃあ意味がない。だから本当は,一般的な教材を使ったりニュースを聴いたりすることよりも,発音がきれいじゃない人とか,ノンネイティブの人とたくさん話すようにしないといけないんだな。


ところで今日のこの番組,ひさしぶりに来日したミッキー・ロークに川島なお美がインタビューする,というコーナーがあった。「セクシーな俳優」という紹介の仕方をしていたし自分もそういうイメージがあったのだが,画面に映っているのはただのオヤジだった。・・・寄る年波には勝てん,ということか・・・。まあ川島なお美あたりがインタビューするのでちょうどいいくらいな感じだったかな?

ラグビー観戦に行った。

 大学時代の友達に誘われて,母校のラグビー観戦に行ってきた。


 高校の体育の授業でラグビーをやったのにルールを全く忘れていたが,解説してもらいながら観たのでけっこうおもしろかった。当時とは点のつけ方とか細かいルールもけっこう変わっていた驚いた。サッカーの親戚,みたいなイメージがあったラグビーだが,何気にけっこう違うんだなあと実感(←ほんとに授業でやったのかよ?!)。ひとことで言うと「陣地取りゲーム」なんだそう。何だかはまるとおもしろそうな予感がした。


 すごく天気もよくて,雲ひとつない青空だったから暑かった。でも青空と芝の緑がきれいですごく気持ちよかったなあ。「スポーツの秋」とはよく言ったもんだと思った。最近はジョグも気持ちが入ってきて,1週間以上走らないとムズムズしてくる。昨日は走ろうと思って走れなかったので,明日こそは走りたい。・・・でも,「皇居ジョグ」は仕事で都合がつかずもう3週間くらいやってないんだよなあ。


 試合は結局負け・・・。いいとこまでいくのに点が入らない場面が多く,ムズムズした。次はスカッとするような試合が観たいな。


 


 

日本語練習帳

という本が6年くらい前に流行った。ひさしぶりに読んでみた。読みやすくおもしろい。

言葉とか言語を鍛えるのって終わりがないから嫌だなと思う。喋れるようになったら終わりってわけじゃないし、何をもって喋れるっていうのかもわからない。

でも言葉力を鍛えるのはこのうえなく楽しい。思い描いたとおりに言葉を操れるのはかなりの快感だ。

今はこの本を読んだこともあり、かなり日本語鍛えたいモード。単語の使い方も、文の組み立て方も、敬語も、自分はまだまだ発展途上。あとどれくらい快感を体験できるかな?

白大理石の夢

昨日のTBS「世界遺産」でのナレーションの一節。「タージ・マハル」がこう呼ばれていたそう。


「もっとも美しいイスラム建築」とも言われており,アルハンブラ贔屓の自分としてはちょっと癪に障る気もしていた。百歩譲ってアルハンブラは贔屓目で見ているから他を選ぶとしても,イスファハーンのイマームモスクあたりがいちばんきれいなんじゃないかと思っていた。


でも,すんごいきれいだった。白もなんともいえない美しい白さで,宝石をはめ込んでいるという装飾も,出しゃばるでもなく慎ましい主張をしているように思う。建物の形,バランス,配置,どれをとっても文句ない。基盤の広さのわりに建物が小さいあたりも恐ろしくかっこいい。


世界遺産への登録も「人類の創造的才能をあらわす傑作」ということでされている。ほんとに人間の創造力ってすごいと思った。何かをまねしたのではなく造り出したものが,誰も超えることのできないものだったんだもんな。完璧とはまさにこのこと。


これが墓だというのだから。やはり愛の力のなせる業なのか・・・。

フランク・スレード&チャーリー・シムズ

この2人の名前を聞いてこれからなにを書こうとしているかわかった方,大好きです!?


これは「セント・オブ・ウーマン」という1992年のアメリカ映画で,アル・パチーノとクリス・オドネルが演じた役の名前です。パチーノが盲目の退役軍人,オドネルが名門高校の苦学生,という設定で,二人が感謝祭休暇を通して絆を深めていく,という話。


自分がいちばん好きな映画です。何回見てもいい。ふたりともかっこよくて,深みのある役柄で,出てくる言葉ひとつひとつに打ちのめされます。精神的にきてるときなんかは,必ず泣いてしまう。久しぶりに見たけど,また泣きそうになった。


最後アメリカチックなスタンディングオベーションのシーンがあって,そこだけうざいんだけど(アメリカ映画によくあるけど,すごく嫌なんです),他は文句なしにいい。途中のタンゴを踊るシーンもかっこいい。よくよく考えるとけっこうクサい話なのに,全体的に洗練されてるんですよね。


8年位前に友達に勧められて観たんだけど,自分の中ではずっとこの映画がナンバーワンなんですよね。いやあ,映画って,本当にいいですね(by水野晴郎)。