カンボジア~2005年最後に~ | そのうちトライリンガル

カンボジア~2005年最後に~

昨日書いたことで今年の投稿は最後のつもりでいたが,載せてから大事なことを書き忘れてたことに気づいた。修正するよりも別途書こうという気持ちになり,年越しギリギリのタイミングで書いているというわけ。


今年行った海外は2月のカンボジアだけだったが,本当に記憶に残る旅になった。アンコール(とくにワット)の美しさとポル・ポト政権時代の爪痕。いずれも自分の世界を遥かに超える衝撃で,かなりうちのめされた。帰国してからもしばらくはカンボジアのことで頭がいっぱいだった。


アンコールはホントにきれいだった。ワットの形の美しさは,タージ・マハル にもひけをとらないんじゃないかと思う。

アンコールワット   水鏡

トムのほうは,バイヨンと呼ばれる仏塔に施されている仏の顔が癒してくれる。「クメールの微笑み」といわれているそうだが,カンボジアの人たちを癒してきたんだろうというのは実感としても思う。

自分が気に入ってる顔はこれ↓

「クメールの微笑み」

旅の後半で首都のプノンペンに行き,トゥールスレンという,ポル・ポト時代には監獄として使われ,今は博物館になっているというところに行った。骸骨が部屋にそのまま残っていたり,独房や拷問の器具なども残っているほか,収監されていた人たちの写真が展示されていて悲しく恐ろしかった。もともと高校だったところを監獄にしたとのことで,教室1つ1つが囚人を入れる部屋になっているんだけど,たまたまとある部屋に1人になった時間があったけどめちゃくちゃ恐くてすぐに出てきてしまった。霊感とかないと思うけど,ホントにゾクッとするような恐さを感じた。


1つすごく悲しい写真があって,囚人の1人なんだけど,母親が赤ん坊を抱いて写っているんだ。母親の方はおそらく自分の運命がわかっていて,呆然というか,希望のない顔をしてる,というかもう表情がないんだよね。でも赤ん坊は何も知らないから,ほんとにかわいい顔をして寝てるんだよね。なんかほんとに救いがなくて,もちろん過去のことだし自分にはどうしようもできないことなんだけどもどかしくて悲しくて,この気持ちは忘れたくないと思って,この人たちの写真は撮らないつもりでいたけど1枚この写真だけ撮らせてもらった。

すいませんその写真はちょっと載せられないです。


最後に載せたいのは,アンコールの最後の日に見た夕日。密林,というほどでもないかもしれないけど,何もない大地に沈んでいく夕日はすごく美しかった。アンコール時代の栄華は戻らないかもしれないしカンボジアの悲しい歴史は消えないけど,この夕日はいつまでもこの地にあってほしいと願った。今年いちばん心に焼きついた光景だ。

sunsetinAngkor


2006年,いい日々でありますように。